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TAR-200(ゲムシタビン膀胱内システム)、BCG不応性の上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌患者に対する治療薬として製造販売承認を申請

TAR-200は、Johnson & Johnsonの革新的な医薬品と医療技術の専門知識を融合した新たな治療薬

TAR-200単剤投与が82.4%の完全奏効率を達成した第IIbSunRISe-1試験コホート2に基づく申請

 

Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・リーガー、以下「J&J」)は8日、ゲムシタビン膀胱内システムであるTAR-200についてBacillus Calmette-Guérin(BCG)不応性の上皮内癌(Carcinoma in situ:CIS)を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(High-Risk Non-muscle Invasive Bladder Cancer:HR-NMIBC)に対する治療薬として、日本で製造販売承認を申請しました。承認された場合、日本国内で初めてかつ唯一の抗がん剤を膀胱内に局所送達できる膀胱内システムとなる可能性があります。

 

今回の承認申請は、国際共同第IIb相SunRISe-1試験( NCT04640623)のコホート2の結果に基づいています。

本コホートは、膀胱全摘除術を選択していない、又は不適格で、BCGの膀胱内注入療法に不応性のCISを有するHR-NMIBC患者(乳頭状病変の併発の有無は問わない)を対象に、TAR-200の有効性および安全性を評価しています。観察期間は20.2カ月 でした。完全奏効率は82.4%(95%信頼区間:72.6-89.8)、奏効期間の中央値は25.8カ月(95%信頼区間:8.3-推定不能)でした。治療に関連のあるグレード3以上の有害事象の発現割合は12.9%、重篤な治療に関連のある有害事象の発現割合は5.9%、治療に関連する死亡例は認められませんでした。

筑波大学 腎泌尿器外科 教授の西山博之先生*は次のように述べています。「HR-NMIBCに対しては、BCGの登場から約40年、新しい治療薬が存在せずアンメットメディカルニーズが存在していました。TAR-200の登場により、新たな治療選択肢を提供できるだけでなく、膀胱がんの治療を進歩させることを期待しています」

J&J Innovative Medicine Japanの代表取締役社長であるクリス・リーガーは、次のように述べています。「BCG不応性HR-NMIBC患者さんは、膀胱全摘除術など、生活の質に大きな影響を与え、侵襲性の高い外科的治療の選択を余儀なくされることがあります。Johnson & Johnsonは、革新的な医薬品と医療技術の専門知識を融合させることで、特定の種類の膀胱がんに対する日本国内で初めてかつ唯一となる膀胱内システムを提供し、膀胱がんの治療法に変革をもたらします」

膀胱がんは世界で9番目に多いがん種です¹。 日本国内における2021年の膀胱がん(上皮内がん含む)の新規診断者数は約45,600人²、2023年の死亡者数は約9,600人です³。すべての膀胱がんのうち、NMIBCの患者数は約70%から80%で、そのうち15~44%が高リスクのNMIBCです。高リスクのNMIBCは、これまで治療選択肢が限られており、新たな治療薬が切に求められていました。

 

TAR-200について

TAR-200(ゲムシタビン膀胱内システム)は、膀胱にゲムシタビンを持続的に局所送達するように設計された膀胱内システムです4。外来で、医療従事者が、同梱される膀胱内挿入用カテーテルを使用して膀胱に挿入が可能です。日本では、2025年8月に「BCG不応性の上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌」に対する希少疾病用医薬品指定の通知を受領しています。

米国では、2023年12月にFDAから、膀胱全摘除術を選択していない、又は不適格で、BCGの膀胱内注入療法に不応性の高リスクNMIBC(CIS)の成人患者の治療薬として、ブレークスルーセラピー指定(Breakthrough Therapy Designation)を受け、Real-Time Oncology Review(RTOR)プログラムにより、製造販売承認申請資料の提出を2024年12月から開始し、2025年3月に完了しています。

 

SunRISe-1試験( NCT04640623)コホート2について

SunRISe-1試験( NCT04640623)は非盲検第IIb相試験です。コホート2では、膀胱全摘除術に不適格である、又は膀胱全摘除術を選択しなかったBCG膀胱内注入療法に不応性のCISを有する高ハイリスクNMIBC患者に対してTAR-200単剤療法の安全性と有効性を評価しています。主要評価項目は完全奏効達成割合です。副次評価項目は、奏効期間、全生存期間、薬物動態、生活の質、安全性、忍容性です。

 

高リスク筋層非浸潤性膀胱がんについて

高リスク筋肉非浸潤性膀胱がん(HR-NMIBC)はNMIBCの一種で、低リスクのNMIBCと比較して、再発したり、尿路上皮と呼ばれる膀胱の内壁を超えて転移したり、筋層浸潤性膀胱がんに進行する可能性が高いがんです5,6。HR-NMIBCはNMIBC患者の15-44%を占め、高異型度、T1、CISのいずれかを含むものと定義されます。 現在、BCG不応性のNMIBC患者には膀胱全摘出術が推奨されており、筋層浸潤性膀胱がんの進行前に実施した場合、がん特異的生存率は90%を超えます7,8。NMIBCは通常、高齢患者に発症するため、膀胱全摘除術を受けることを望まない、または不適格な患者が多いです9。再発率と進行率が高いため、これらの患者に重大な疾患負担と精神的苦痛が生じる可能性があります5,8

* 西山博之先生は、J&Jのメディア活動(本プレスリリース)にご協力いただいておりますが、報酬は発生しておりません。

 

Johnson & Johnson について

Johnson & Johnson (ジョンソン・エンド・ジョンソン、J&J)は、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報は innovativemedicine.jnj.com/japan/をご覧ください。

 

将来に関する記述

このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びTAR-200の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。

基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Janssen Research & Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及び/又はジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。

リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。

これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。

これら書類は、オンライン( www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。Janssen Research and Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。

 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine

コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: JP-PR@its.jnj.com

 

参考文献

1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7151633/

2. https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#a14

3. 国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/patients.html. Accessed June 2025.

4. Siamak Daneshmand, Ashish M. Kamat, Neal D. Shore, et al. Urologic Oncology: Seminars and Original Investigations 43(2025)286-296

5. Grab-Heyne K, Henne C, Mariappan P, et al. Intermediate and high-risk non–muscle-invasive bladder cancer: an overview of epidemiology, burden, and unmet needs. Front Oncol. 2023;13:1170124.

6. Lieblich A, Henne C, Mariappan P, Geiges G, Pöhlmann J, Pollock RF. The management of non–muscle-invasive bladder cancer: a comparison of European and UK guidelines. J Clin Urol. 2018;11(2):144-148.

7. Brooks NA, O’Donnell MA. Treatment options in non–muscle-invasive bladder cancer after BCG failure. Indian J Urol. 2015;31(4):312-319. doi:10.4103/0970-1591.166475

8. Guancial EA, Roussel B, Bergsma DP, et al. Bladder cancer in the elderly patient: challenges and solutions. Clin Interv Aging. 2015;10:939-949.

9. Chamie K, Litwin MS, Bassett JC, et al. Recurrence of high-risk bladder cancer: A population-based analysis. Cancer. 2013;119(17):3219-3227.