※本プレスリリースは、10月7日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、 こちらをご参照ください。
本プレスリリースは、日本国内において未承認の情報も含みます。予めご注意ください。
第III相ASTRO試験において、トレムフィア®を皮下投与群は48週時点で、臨床的寛解と内視鏡的寛解という臨床的に意義のある結果を達成 *臨床的寛解36.7%、内視鏡的寛解25.9%
生物学的製剤未治療群と抵抗性群のいずれのサブグループにおいても、臨床的および内視鏡的寛解が認められた
トレムフィア®は、最近*FDAに承認された成人潰瘍性大腸炎患者さんに対する皮下導入療法に続き、維持療法も含めた皮下投与レジメンを有する唯一のIL-23阻害薬
ペンシルバニア州スプリングハウス(米国時間2025年10月7日) – Johnson & Johnson(NYSE:JNJ、以下「J&J」)は、本日、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象としたトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)の皮下投与による導入療法と維持療法を評価した第III相ASTRO試験の48週の最新データを発表しました。これらのデータでは、臨床的に意義のある臨床的寛解率と内視鏡的寛解率を示し、トレムフィア®が皮下投与レジメンにより良好な結果が認められる初めてかつ唯一のIL-23阻害薬であることが明らかになりました1。これらの結果は、2025年の欧州消化器病(UEG)週間で発表された当社の20演題のうちのひとつです。
トレムフィア®は、IL-23を阻害するとともに、IL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合する、初めてかつ唯一のdual-acting完全ヒト型モノクローナル抗体です。IL-23は、活性化した単球/マクロファージおよび樹状細胞から分泌されるサイトカインで、炎症性腸疾患をはじめとする免疫介在性疾患の原因となることが知られています。なお、これらの知見はin vitro試験に基づくものです2,3,4,5,6。
ASTRO試験の48週のデータは、以前報告された12週の皮下投与による導入療法のデータに続いて得られたものであり、すべての臨床的および内視鏡的評価項目において、プラセボと比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました7。 導入療法としてトレムフィア®400 mgを皮下投与され、その後維持療法としてトレムフィア®100 mgを8週間隔または200 mgを4週間隔で皮下投与された群では、48週にわたり、すべての臨床的および内視鏡的評価項目において臨床的に意義のある改善を示しました (すべての名目上のp値<0.001)1。
48週時 | トレムフィア®100 mg 8週間隔投与群 | トレムフィア®200 mg 4週間隔投与群 | プラセボ群 |
臨床的寛解a | 36.7% | 42.9% | 7.2% |
内視鏡的改善b | 44.6% | 47.1% | 11.5% |
内視鏡的寛解c | 25.9% | 26.4% | 5% |
症候的寛解d | 47.5% | 53.6% | 14.4% |
また、Advanced Therapyによる治療歴に基づく事前規定されたサブグループ解析では、トレムフィア®は、生物学的製剤/JAK阻害薬で未治療および生物学的製剤/JAK阻害薬で効果が得られなかった患者さんのいずれにおいても、すべての評価項目で臨床的に意義のある結果を示しました。ASTRO試験の安全性データは、トレムフィア®の既知の安全性プロファイルと一貫していました1。
イタリア・ミラノのIRCCS IRCCS Ospedale San RaffaeleおよびUniversity VitaSalute San Raffaeleの教授で、本試験の治験担当医師のSilvio Daneseeは、次のように述べています。「多くの患者さんにとって、皮下投与による導入療法という選択肢があることは、大きな一歩です。適切なトレーニングを受けることで、有効性を損なわず在宅投与**といった柔軟な選択肢を提供することも可能となります。今回の結果は、トレムフィア®の皮下投与レジメンによって、1年間の持続的な臨床的および内視鏡的にも意義のある効果を実現し、潰瘍性大腸炎の長期の病勢のコントロールを支援できることを示すものです」
J&J Innovative MedicineのVice President兼Gastroenterology Disease Area Lead ImmunologyであるEsi Lamousé-Smith, M.D. Ph.D.は、次のように述べています。「今回の結果は、医療従事者と患者さんに有意義な結果とより多くの選択肢を提供し、科学の力をもって医療を切り拓くという私たちの揺るぎないコミットメントを反映しています。トレムフィア®は、クローン病の皮下投与による導入療法を提供する唯一のIL-23阻害薬です。ASTRO試験の結果は、第III相QUASAR試験において静脈内投与による導入療法で認められた結果を裏付けるもので、潰瘍性大腸炎の皮下投与による導入療法への拡大を目指す私たちの目的を後押しします」
トレムフィア®は、中等症から重症の活動期クローン病の成人患者さんの皮下投与および静脈内投与による導入療法として、米国食品医薬品(FDA)と欧州委員会(EC)の承認を取得し、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんの皮下投与と静脈内投与による導入療法の治療薬として、FDAの承認を得ています。トレムフィア®は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんに対する治療薬としてECの承認を取得し、現在は導入療法として静脈内投与し、その後皮下投与が維持療法として使われています。
J&Jが2025年欧州消化器病週間で発表したデータの一覧はこちらをご覧ください:
https://www.jnj.com/innovativemedicine/immunology/gastroenterology
*詳細については、2025年9月19日(米国時間)発表した
プレスリリースをご参照ください。
**日本国内において、文中の在宅投与は承認されていません。日本国内における効能、用法及び用量は添付文書をご確認ください。
用語の説明:
a. 臨床的寛解の定義は、Mayo排便回数サブスコアが0または1で、ベースラインから増加がなく、Mayo直腸出血サブスコアが0、Mayo内視鏡サブスコアが0または1で、内視鏡で易出血性が認められない状態としました。
b. 内視鏡的改善の定義は、内視鏡サブスコアが0または1で、内視鏡で易出血性が認められない状態としました。
c. 内視鏡的寛解(正常化)の定義は、Mayo排便回数サブスコアが0としました。
d. Mayoスコアで評価する症候的寛解の定義は、排便回数サブスコアが0(正常な排便回数)または1(正常な排便回数より1日1~2回多い)で、直腸出血サブスコアが0(血液はみられない)としました。
e. Danese教授はJ&Jのコンサルタントを務めていますが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていません。
ASTRO試験について( NCT05528510)
ASTRO試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNFα阻害薬、ベドリズマブ)および/またはオザニモドもしくはJAK阻害剤で効果不十分もしくは忍容性が不良であった、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象に、トレムフィア®の皮下注導入療法(400 mgを初回、4週後、8週後)の有効性と安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、第III相treat-through試験です。患者さん(n₌418)は、導入期の治療として、0週時、4週時、8週時にトレムフィア®400 mgを皮下投与後にトレムフィア®200 mgを4週間隔で皮下投与された群、導入療法として0週時、4週時、8週時にトレムフィア®400 mgを皮下投与後にトレムフィア®100 mgを8週間隔で皮下投与された群、またはプラセボ皮下投与群に1:1:1の割合で無作為に割り付けられました。ASTRO試験における維持用量(トレムフィア®200 mgを4週間隔もしくは100 mg を8週間隔)は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象とした第III相QUASAR試験において、静脈内導入療法後の皮下投与による維持療法の有効性と安全性が評価された用量と同じでした8。
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するびらんや潰瘍を形成する慢性疾患で、過剰な免疫反応により発症します。症状はさまざまで、切迫便意、出血、血便、持続的な下痢、腹痛、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます9。
トレムフィア®(グセルクマブ)について
トレムフィア®は、J&Jが開発したCD64(IL-23を産生する細胞上にある受容体)に結合してIL-23を阻害し、炎症を中和するよう設計された医薬品として初めて承認された、dual-acting(二重作用)完全ヒト型モノクローナル抗体です。トレムフィア®の二重作用に関する知見は、in vitro試験に限られます。これらの試験において、トレムフィア®は炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の膜表面に発現するCD64に結合することが示されています。この所見の臨床的意義は不明です。
トレムフィア®は、米国、カナダ、日本をはじめとする多くの国で、中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さん、乾癬性関節炎の成人患者さん、中等症から重症のクローン病の成人患者さん、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として承認されています。
トレムフィア®の製造に対する法的責任は、Janssen Biotech, Inc.が負っています。
Johnson & Johnson について
J&Jは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
J&J Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。Johnson & Johhnson Innovative Medicineは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報は
www.jnj.com/innovativemedicine/japan/をご覧ください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びトレムフィアⓇの潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社の予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これら書類は、オンライン(
www.sec.gov,
www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはJohnson & Johnson宛てにご請求ください。Johnson & Johnson及びヤンセンファーマ株式会社は、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
【本件に関するお問合せ先】
Johnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail:
JP-PR@its.jnj.com
参考文献
1. Allegretti JR, et al. Efficacy and safety of subcutaneous guselkumab induction and maintenance therapy in patients with ulcerative colitis: results through week 48 from the phase 3 ASTRO study. Oral presentation OP203 at United European Gastroenterology (UEG) Week 2025. October 2025.
2. Atreya R, Abreu MT, Krueger JG, et al. Guselkumab, an IL-23p19 subunit-specific monoclonal antibody, binds CD64+ myeloid cells and potentially neutralizes IL-23 produced from the same cells. Poster presented at: 18th Congress of the European Crohn’s and Colitis Organization (ECCO); March 1-4, 2023; Copenhagen, Denmark. Poster P504.
3. Kreuger JG, Eyerich K, Kuchroo VK. Il-23 past, present, and future: a roadmap to advancing IL-23 science and therapy. Front Immunol. 2024; 15:1331217. doi:10.3389/fimmu.2024.1331217.
4. TREMFYA® [Prescribing Information]. Horsham, PA: Janssen Biotech, Inc.
5. Skyrizi® [Prescribing Information]. North Chicago, IL: AbbVie, Inc.
6. Omvoh™ [Prescribing Information]. Indianapolis, IN: Eli Lilly and Company.
7. Peyrin-Biroulet, et al. Efficacy and safety of subcutaneous guselkumab induction therapy in patients with Ulcerative Colitis: Results through week 12 from the phase 3 ASTRO study. Results from the Phase 3 ASTRO study. Oral presentation (#OP10) at the 20th Congress of the European Crohn’s and Colitis Organization (ECCO). February 2025.
8. Crohn’s & Colitis Foundation. What is ulcerative colitis? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-ulcerative-colitis. Accessed March 2025
9. Crohn’s & Colitis Foundation. What is ulcerative colitis? Available at:
https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-ulcerative-colitis. Accessed March 2025