※本プレスリリースは、10月27日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、 こちらをご参照ください。
本プレスリリースは、日本国内において未承認の情報も含みます。予めご注意ください。
国内におけるトレムフィアⓇの用法及び用量は添付文書をご参照ください。
トレムフィア®、完全皮下投与レジメン※を有する初めてかつ唯一のIL-23阻害薬としてクローン病で2年間にわたる持続的な寛解を示す
第III相のGRAVITI試験とGALAXI試験で、維持療法としてトレムフィア®を投与された患者さんにおいて、96週時点の臨床的寛解率は85%以上
トレムフィア®は、中等症から重症の活動期クローン病において、完全皮下投与レジメン※で持続的な内視鏡的と臨床的寛解を示した唯一のIL-23阻害薬
アリゾナ州フェニックス(米国時間2025年10月27日) – Johnson & Johnson(NYSE:JNJ、以下「J&J」)は、中等症から重症の活動期クローン病(CD)の成人患者さんにおいて、トレムフィア®(一般名:グセルクマブ)が2年間にわたり持続的な効果をもたらすことを示した第III相GRAVITI、GALAXI 2およびGALAXI 3試験の長期継続投与(LTE:Long term Extension)試験の96週の最新データを発表しました1。これらの結果は、当社が、米国消化器病学会(ACG)2025年年次総会で発表する23件の演題に含まれます。
トレムフィア®は、IL-23を阻害するとともに、IL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合する、初めてかつ唯一のdual-acting(二重作用)、完全ヒト型IL-23p19モノクローナル抗体です。IL-23は、活性化した単球/マクロファージおよび樹状細胞から分泌されるサイトカインで、潰瘍性大腸炎(UC)をはじめとする免疫介在性疾患の原因となることが知られています。なお、これらの知見はin vitro試験に基づくものです2,3,4,5,6。
96週時に、導入療法としてトレムフィア®400mgを皮下投与(GRAVITI試験)または200mgを静脈内投与(GALAXI試験)し、その後維持療法としてトレムフィア®100mgを8週間隔または200mgを4週間隔で皮下投与された患者さんにおいて、高い長期の臨床的寛解率、内視鏡的改善率、内視鏡的寛解率および完全寛解率が認められました。
| 96週時点(as observed解析;実測値に基づく解析)*: | トレムフィア®100mg 8週間隔皮下投与群 | トレムフィア®200mg 4週間隔皮下投与群 |
臨床的寛解a GRAVITI試験 GALAXI 2、3試験(統合解析) | 92.0% 86.7% | 93.4% 87.1% |
内視鏡的改善b GRAVITI試験 GALAXI 2、3試験(統合解析) | 65.0% 73.6% | 65.1% 70.7% |
内視鏡的寛解c GRAVITI試験 GALAXI 2、3試験(統合解析) | 41.5% 56.3% | 46.0% 56.6% |
完全寛解d GRAVITI試験 GALAXI 2、3試験(統合解析) | 38.7% 51.2% | 44.1% 49.0% |
*実測値に基づく解析対象集団には、LTE試験に登録され、LTE試験の実施期間中に治験薬を1回以上投与され、治療を継続し、96週時点でデータが利用可能であった被験者が含まれました。用量調節された被験者(GALAXI試験のみ)は、96週時点の実測値に基づく解析から除外されました。
GRAVITIおよびGALAXI LTE試験の96週時までの安全性データは、トレムフィア®の既知の安全性プロファイルと一貫していました。
シカゴ大学炎症性腸疾患センターの所長を務めるDavid Rubin, M.D.eは、次のように述べています。「CDは、患者さんの生活の質(QOL)に著しい影響を及ぼす慢性疾患です。今回の結果は、グセルクマブの皮下投与または静脈内投与による導入療法が、いずれも内視鏡的寛解をもたらすことを示すものであり、中等症から重症の活動期CD患者さんが、より自信と安心感をもって症状を管理することを可能にするものです」
GRAVITI試験は、トレムフィア®の皮下投与による導入療法および維持療法をプラセボと比較評価した試験です7。GALAXI 2とGALAXI 3試験は、トレムフィア®の静脈内投与による導入療法後のトレムフィア®の皮下投与による維持療法を、プラセボおよびステラーラ®(一般名:ウステキヌマブ)と比較評価した試験です8。トレムフィア®は、以前発表されたGALAXI臨床プログラムの統合データにおいて、48週時点に、すべての内視鏡的評価項目でステラーラ®に対する優越性を示し、二重盲検試験でステラーラ®に対する優越性を示した唯一のIL-23阻害薬です9。
J&J Innovative MedicineのVice President兼Gastroenterology Disease Area Lead ImmunologyであるEsi Lamousé-Smith, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「CDとUCにおいて、皮下投与及び静脈内投与による導入療法として承認された唯一のIL-23阻害薬※※であるトレムフィア®は、持続的なベネフィットをもたらすことが示されており、患者さん及び医療従事者に治療開始方法に関する有意義な選択肢を提供します。今回の結果は、長期にわたり深く持続的な寛解をもたらす治療選択肢を提供し続けるとともに、炎症性腸疾患の患者さんが抱える多様なニーズに応えるイノベーションを推進するという当社の長年の取り組みを強固にするものです」
トレムフィア®は、中等症から重症の活動期CD成人患者さん及び中等症から重症の活動期UC成人患者さんの皮下投与及び静脈内投与による導入療法として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しています。
当社がACG 2025年年次総会で発表するデータの一覧はこちらをご覧ください: https://www.jnj.com/innovativemedicine/immunology/gastroenterology
※:導入療法と維持療法のいずれにおいても皮下注射による投与が行われる治療※※:国内で、UCでは皮下投与による導入療法は認められていません。
用語の説明:
a. 臨床的寛解の定義は、クローン病活動性指数(Crohn’s Disease Activity Index: CDAI)スコアが150未満としました。
b. 内視鏡的改善の定義は、クローン病簡易内視鏡(Simple Endoscopic Score for Crohn’s Disease: SES-CD)スコアがベースラインから50%以上減少(GALAXI試験/GRAVITI試験)又は2点以下(GALAXI試験のみ)としました。
c. 内視鏡的寛解の定義は、SES-CDスコアが4点以下で、ベースラインから2点以上減少、かつ各項目におけるサブスコアが1未満としました。
d. 完全寛解の定義は、上記の定義に基づく臨床的寛解と内視鏡的寛解の両方の達成としました。
e. Dr. David RubinはJ&Jのコンサルタントを務めていますが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていません。
GRAVITI試験(NCT05197049)について
GRAVITI試験は、既存治療(免疫調整剤またはステロイド薬)および生物学的製剤(TNF阻害薬、ベドリズマブ)で効果不十分もしくは忍容性不良であった、成人の中等症から重症の活動期CD患者さんを対象に、グセルクマブによる皮下に導入療法(0週時、4週時、8週時に400mg皮下投与)を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、第III相試験です。患者さんは、グセルクマブ400mgを4週間隔で3回皮下投与後、グセルクマブ200mgを4週間隔で皮下投与される群、グセルクマブ400mgを4週間隔で3回皮下投与後、グセルクマブ100mgを8週間隔で皮下投与される群、またはプラセボ群のいずれかに割り付けられました。GRAVITI試験における維持用量(グセルクマブ200mgを4週間隔で皮下投与および100mgを8週間隔で皮下投与)は、中等症から重症の活動期CD患者さんを対象に、グセルクマブの静脈内導入療法後のグセルクマブの皮注維持療法の有効性と安全性を評価した第III相GALAXI 2、 3試験で評価された用法及び用量と同じです。GALAXI試験と同様、GRAVITI試験は、treat-throughデザインが採用され、0週時に無作為にグセルクマブに割り付けられた患者さんは、導入療法終了時の臨床的反応にかかわらず、最初に無作為に割り付けられた治療を継続しました。無作為にプラセボに割り付けられた患者さんは、16週時にレスキュー基準を満たした場合、グセルクマブの投与(グセルクマブ400mgを4週間隔で3回皮下投与後、100mgを8週間隔で皮下投与)を受けることができました。GRAVITI試験には、24週時より開始するLTE試験が含まれ、グセルクマブの臨床的および内視鏡的評価項目は合計2年間、安全性評価項目は合計5年間にわたり評価されます。LTE試験に移行した患者さんは、LTE試験開始前と同じ維持療法を継続しました8。
GALAXI試験(NCT03466411)について
GALAXI試験は、既存の治療薬(免疫調節薬、コルチコステロイド)および/または生物学的製剤(TNF阻害薬、ベドリズマブ)で効果不十分または忍容性不良であった、中等症から重症の活動期CD患者さんを対象に、グセルクマブの有効性と安全性を評価した、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、実薬対照(ウステキヌマブ)、多施設、国際共同第II/III相試験プログラムです。GALAXI試験プログラムには、第II相用量設定試験(GALAXI 1試験)および2つの独立した同一デザインの第III相検証試験(GALAXI 2、 GALAXI 3試験)が含まれます。各GALAXI試験にはtreat-throughデザインが採用され、グセルクマブの臨床的、内視鏡的および安全性評価項目を合計5年間にわたり評価するLTE試験が含まれます。患者さんは、導入療法としてグセルクマブ200mgを0週時、4週時、8週時に静脈内投与後、維持療法としてグセルクマブ200mgを4週間隔で皮下投与される群、導入療法としてグセルクマブ200mgを0週時、4週時、8週時に静脈内投与後、維持療法としてグセルクマブ100mgを8週間隔で皮下投与される群、またはプラセボ群のいずれかに割り付けられました。無作為にプラセボに割り付けられた患者さんは、12週時に臨床的反応が認められなかった場合、ウステキヌマブの投与を受けることができました。LTE試験に移行した患者さんは、LTE試験開始前と同じ維持療法を継続しました。52週時から80週時まで、臨床的反応が認められなかった患者さんには、用量増量または見かけ上の用量調節によりグセルクマブ200mgを4週間隔で皮下投与されました8。
クローン病について
クローン病は炎症性腸疾患を構成する2つの主要な疾患のうちの1つです。米国では約300万人、欧州では約400万人の患者さんがいると推定されています10,11。クローン病は、原因不明の消化管の慢性炎症性疾患ですが、免疫系の異常に関連している可能性があり、遺伝的素因、食事またはその他の環境要因によって引き起こされることがあります12。クローン病の症状はさまざまですが、腹痛や圧痛、頻繁な下痢、直腸出血、体重減少、発熱などがあります。現在、クローン病を根治する治療法はありません13。
トレムフィア®(グセルクマブ)について
J&Jが開発したトレムフィア®は、IL-23を阻害すると同時に、IL-23のp19サブユニットおよび炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合する、初めて承認された完全ヒト型モノクローナル抗体です。二重作用に関するデータは、トレムフィア®が炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合することを示すin vitro試験に限られており、臨床的意義は現時点では明らかではありません。
トレムフィア®は、欧州やカナダ、日本などで成人の中等症から重症の尋常性乾癬、活動期乾癬性関節炎、中等症から重症のCDおよびUCの治療薬として承認されています。
J&Jは、トレムフィア®の全世界での独占販売権を有しています。
Johnson & Johnson について
Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。Johnson & Johnson Innovative Medicineは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報は www.jnj.com/innovativemedicine/japan/をご覧ください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びステラーラⓇとトレムフィアⓇの潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社の予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはJohnson & Johnsonの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これらの書類は、オンライン( www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはJohnson& Johnson宛てにご請求ください。Johnson & Johnson及びヤンセンファーマ株式会社は、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail:
JP-PR@its.jnj.com
参考文献
1. D’Haens GR, Rubin DT, et al. Efficacy and Safety of Guselkumab Through Week 96 After Intravenous or Subcutaneous
Induction in Participants With Crohn’s Disease: Phase 3 Long-term Extension Data From GALAXI 2, GALAXI 3, and GRAVITI. Oral presentation 70 at ACG Annual Scientific Meeting 2025. October 2025.
2. Atreya R, Abreu MT, Krueger JG, et al. Guselkumab, an IL-23p19 subunit-specific monoclonal antibody, binds CD64+ myeloid cells and potentially neutralizes IL-23 produced from the same cells. Poster presented at: 18th Congress of the European Crohn’s and Colitis Organization (ECCO); March 1-4, 2023; Copenhagen, Denmark. Poster P504.
3. Kreuger JG, Eyerich K, Kuchroo VK. Il-23 past, present, and future: a roadmap to advancing IL-23 science and therapy. Front Immunol. 2024; 15:1331217. doi:10.3389/fimmu.2024.1331217.
4. TREMFYA® [Prescribing Information]. Horsham, PA: Janssen Biotech, Inc.
5. Skyrizi® [Prescribing Information]. North Chicago, IL: AbbVie, Inc
6. Omvoh™ [Prescribing Information]. Indianapolis, IN: Eli Lilly and Company.
7. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A study of uselkumab subcutaneous therapy in participants with moderately to severely active Crohn’s disease (GRAVITI). Identifier: NCT05197049. Available at: https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05197049. Accessed September 2024.
8. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A Study of the Efficacy and Safety of Guselkumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn’s Disease (GALAXI). Identifier: NCT03466411. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03466411. Accessed April 2024
9. Panaccione, R et al. Efficacy and safety of guselkumab therapy in patients with moderately to severely active Crohn’s disease: results of the GALAXI 2 & 3 phase 3 studies. Oral presentation (Abstract #1057b) at Digestive Disease Week (DDW) 2024. May 2024.
10. Crohn’s & Colitis Foundation. Overview of Crohn’s disease. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/overview. Accessed September 2024.
11. Ng SC, et al. Worldwide incidence and prevalence of inflammatory bowel disease in the 21st century: a systematic review of population-based studies. The Lancet. 2017;390:2769-78.
12. Crohn’s & Colitis Foundation. What is Crohn’s disease? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/causes. Accessed September 2024.
13. Crohn’s & Colitis Foundation. Signs and symptoms of Crohn’s disease. Available at https://www.crohnscolitisfoundation.org/patientsandcaregivers/what-is-crohns-disease/symptoms. Accessed September 2024.