本申請は国際共同第III相MajesTEC-3試験に基づく同試験では、テクベイリ®とダラキューロ®の併用療法は標準治療と比較し無増悪生存期間及び全生存期間を統計学的に有意に改善1
Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・リーガー、以下「J&J」)は10日、B細胞成熟抗原(BCMA)とCD3を標的とする二重特異性抗体テクベイリ®皮下注[一般名:テクリスタマブ(遺伝子組換え)、以下「テクベイリ®」]と抗CD38モノクローナル抗体製剤ダラキューロ®配合皮下注[一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、以下「ダラキューロ®」]との併用療法について、再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療法として、製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
テクベイリ®とダラキューロ®の併用療法は、それぞれBCMAとCD38を標的とし、免疫系をプライミング・活性化することで相乗的に作用し、治療初期段階における免疫介在性免疫応答を増強することで、患者さんのアウトカムを改善する可能性を示唆1しています。
今回の申請は、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、テクベイリ®とダラキューロ®の併用療法の有効性及び安全性を評価した国際共同第III相MajesTEC-3試験(NCT05083169)及び海外第Ib相TRIMM-2試験(NCT04108195)の結果に基づくものです。
MajesTEC-3試験では、587例の再発又は難治性多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクベイリ®とダラキューロ®併用療法の有効性及び安全性を、標準治療であるダラキューロ®+ポマリドミド+デキサメタゾン又は、ダラキューロ®+ボルテゾミブ+デキサメタゾン群(DPd療法又はDVd療法)と比較し評価したものです1。本試験の結果、約3年間の追跡期間で、テクベイリ®とダラキューロ®の併用療法群は標準治療群と比較し、病勢進行又は死亡リスクを83.4%低下させました(ハザード比0.17; 95%信頼区間0.12~0.23; P<0.0001)1,2。また6カ月の時点で病勢進行が認められなかった患者さんのうち、90%以上(249例)が3年後も無増悪を維持していました1。
安全性に関しては、テクベイリ®とダラキューロ®併用療法群と標準治療群における有害事象でグレード3/4の発現率は、それぞれ95.1%、96.6%と同程度でした1。最も多かったグレード3/4の有害事象は、血球減少症と感染症でした1。感染症の発現率は、テクベイリ®とダラキューロ®併用療法群(全グレード:96.5%、グレード3/4:54.1%)で、DPd/DVd群では(全グレード:84.1%、グレード3/4:43.4%)でした1。
MajesTEC-3試験の結果、統計学的有意差に基づき、独立審査委員会は本試験の盲検解除を勧告しました3。なおMajesTEC-3のデータは、2025年米国血液学会(American Society of Hematology:ASH)でLate-Breakingとして口頭発表され、同時に「The New England Journal of Medicine」にも掲載されました1,2。
またTRIMM-2試験では、再発または難治性多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクベイリ®とダラキューロ®併用療法のRP2Dを特定、安全性を評価しました4。
Johnson & Johnson Innovative Medicine Oncology Therapeutic Area HeadのYusri Elsayed, M.D., M.H.Sc., Ph.D.は、次のように述べています。「当社は、多発性骨髄腫領域におけるリーディングカンパニーとして、治療の早期の段階からlate lineまで幅広いポートフォリオを有しています。この度、再発又は難治性多発性骨髄腫の二次治療において、現在の標準治療と比較し、無増悪生存期間及び全生存期間の延長が期待されるテクベイリとダラキューロの併用療法を申請できたことを大変嬉しく思います。これは、免疫機能がまだ十分に保たれている段階で、深く持続的な奏効をもたらす治療法を患者さんにお届けし、新たな治療選択肢を提供する重要な一歩です。これにより、より多くの患者さんのニーズに応えることができるものと期待しています」
MajesTEC-3試験の結果に基づき、当社は米国食品医薬品局(FDA)に対し、追加の生物学的製品販売承認の申請を行いました。FDAは、MajesTEC-3試験を、国家優先審査プログラムであるCommissioner’s National Priority Voucherプログラムのパイロットプログラムに選定しました。またFDAは本併用療法に対し、Breakthrough Therapy Designation(画期的治療指定)を行いました。これは、重篤または生命を脅かす疾患の治療を目的に、臨床的に重要な評価項目において既存の治療法と比較し改善が期待されることを示す予備的な臨床証拠に基づき、その医薬品の開発及び審査を迅速化する制度です。
MajesTEC-3試験について
MajesTEC-3試験(NCT05083169)は、1~3つの前治療歴を有する再発又は難治性多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクベイリ®とダラキューロ®の併用療法群(291例)と、治験医師の判断によるDPd又はDVd療法群(296例)との安全性及び有効性を評価する、現在実施中の第III相、無作為化試験です1,5。主要評価項目は無増悪生存期間で、副次評価項目には、完全奏効以上、全奏効率、微小残存病MRD陰性(次世代シーケンシングによる感度閾値10⁻⁵)、全生存期間、症状悪化までの期間(MySIm-Q)、及び安全性が含まれます5。MajesTEC-3試験は、MajesTEC 臨床プログラムの一環であり、併用療法としてのテクベイリ®の可能性を探索しています5。
TRIMM-2試験について
海外第Ib相TRIMM-2試験(NCT04108195)は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療歴を有する、もしくは免疫調節薬及びプロテアソーム阻害剤のいずれにも耐性を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、ダラキューロ®とテクベイリ®もしくはタービー®を併用する、現在進行中の非盲検、多施設共同、複数コホートの第Ib相試験です4。
テクベイリ®について
テクベイリ®は、投与前の調製不要な皮下注製剤です。BCMA及びCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体で、免疫機能を活性化しがん細胞を死滅させます6。
テクベイリ®は、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の単剤療法として、2022年8月に欧州委員会から承認を取得7しています。また2022年10月には、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得8しています。また日本国内では、2024年12月に再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)の治療薬として承認を取得しています。更に、2025年10月、Gタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD (GPRC5D)とCD3を標的とする二重特異性抗体のタービー®との併用療法について、髄外性形質細胞腫(Extramedullary Disease :EMD)を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療法として、製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
ダラキューロ®配合皮下注について
ダラツムマブ皮下投与製剤であるダラキューロ®は、日本では2021年3月に多発性骨髄腫の治療薬として承認され、同年5月に発売されました。多発性骨髄腫、全身性ALアミロイドーシスの2つの疾患にわたり、6つの治療レジメンで使用されます。
また米国では、2020年5月にFDAの承認を取得し、多発性骨髄腫における9つの適応症に対して承認されています。そのうちの4つが、移植適応又は移植非適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんに対する治療です9。本剤は、多発性骨髄腫治療薬として承認されている唯一の抗CD38抗体薬皮下注製剤です。ダラキューロ®は、Halozyme社のENHANZE®ドラッグデリバリー技術である遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼPH20と共に製剤化されています。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、白血球の一種である形質細胞が骨髄内でがん化し、骨髄腫細胞となり異常に増殖することで生じる、治癒困難な血液がんです10,11。多発性骨髄腫は、がん化した形質細胞が増殖し続け体内に蓄積することで、正常な血液細胞を侵食することで骨を破壊し、またさまざまな合併症を引き起こします10,11。日本国内における2021 年の多発性骨髄腫の新規診断者数は約7,800人12で、2023年の死亡者数は約4,300人12とされています。多発性骨髄腫は、再発して症状の再燃を繰り返す度に、症状は悪化し、治療が奏効する可能性は低くなり、奏効持続期間も短くなる傾向にあります13,14,15。多発性骨髄腫は初期には無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球数の減少、疲労、カルシウム値の上昇、感染症や腎障害などの症状が現れる患者さんもいます16。
Johnson & Johnson について
Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.jnj.com/innovativemedicine/japan/をご覧ください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びテクベイリ®、ダラキューロ®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性は、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
【本件に関するお問合せ先】
Johnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: JP-PR@its.jnj.com
参考文献:
1. Mateos M-V, et al. Phase 3 Randomized Study of Teclistamab plus Daratumumab Versus Investigator’s Choice of Daratumumab and Dexamethasone with either Pomalidomide or Bortezomib (DPd/DVd) in patients (pts) with Relapsed Refractory Multiple Myeloma (RRMM): Results of the MajesTEC-3 Study. Oral Presentation #06. American Society of Hematology (ASH) Annual Meeting; 06-09 December, 2025.
2. Costa L, et al. Teclistamab plus Daratumumab in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma. The New England Journal of Medicine. 2025; Full article and supplementary material. Available at: https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2514663. Last accessed: January 2026.
3. Johnson&Johnson.com. TECVAYLI® plus DARZALEX FASPRO® combination regimen significantly improves progression-free survival and overall survival versus standard of care. Available at: https://www.jnj.com/media-center/press-releases/tecvayli-plus-darzalex-faspro-combination-regimen-significantly-improves-progression-free-survival-and-overall-survival-versus-standard-of-care.
Last accessed: January 2026.
4. Clinical Study Report(RIM#: EDMS-RIM-1036720)
5. ClinicalTrials.gov. A Study of Teclistamab in Combination With Daratumumab Subcutaneously (SC) (Tec-Dara) Versus Daratumumab SC, Pomalidomide, and Dexamethasone (DPd) or Daratumumab SC, Bortezomib, and Dexamethasone (DVd) in Participants With Relapsed or Refractory Multiple Myeloma (MajesTEC-3). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT05083169. Last accessed: January 2026.
6. Padala SA et al. Epidemiology, Staging, and Management of Multiple Myeloma. Med Sci (Basel). 2021;9(1):3.
7. European Medicines Agency. TECVAYLI Summary of Product Characteristics. Last accessed: January 2026
8. https://www.fda.gov/drugs/resources-information-approved-drugs/fda-approves-teclistamab-cqyv-relapsed-or-refractory-multiple-myeloma Last accessed: January 2026
9. DARZALEX FASPRO® U.S. Prescribing Information
10. Abdi J et al. Drug resistance in multiple myeloma: latest findings and new concepts on molecular mechanisms Oncotarget. 2013;4(12):2186–2207.
11. American Society of Clinical Oncology. Multiple myeloma: introduction. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/multiple-myeloma/introduction. Last accessed: January 2026
12. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html#anchor1. Last accessed: January 2026
13. Bhatt P, et al. Relapsed/Refractory Multiple Myeloma: A Review of Available Therapies and Clinical Scenarios Encountered in Myeloma Relapse. Curr Oncol. 2023;30(2):2322-2347.
14. Hernández-Rivas JÁ, et al. The Changing Landscape of Relapsed and/or Refractory Multiple Myeloma (MM): Fundamentals and Controversies. Biomark Res. 2022;10(1):1-23.
15. Gavriatopoulou M, et al. Metabolic Disorders in Multiple Myeloma. Int J Mol Sci. 2021;22(21):11430.
16. American Cancer Society. Multiple myeloma: early detection, diagnosis and staging. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8740.00.pdf. Last accessed: January 2026