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Johnson & Johnson
中リスク筋層非浸潤性膀胱がんを対象としたErda-iDRS(治験成分記号:TAR-210)のfirst-in-human試験における有望な結果を発表

※本プレスリリースは、3月13日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先されます。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

Erda-iDRSは日本国内において未承認です。予めご注意ください。

2026欧州泌尿器科学会で発表された結果から中リスク患者さんにおいて89%の完全奏効率、18カ月以上の持続的奏効期間及び良好な忍容性が示唆される

Erda-iDRSは早期の膀胱がんに対する初の標的療法となる可能性

 
ニュージャージー州ラリタン (米国時間2026年3月13日) –Johnson & Johnson(以下「J&J」)(NYSE:JNJ)は、3月13日、線維芽細胞増殖因子受容体(fibroblast growth factor receptor: FGFR)遺伝子変異を有する中リスクもしくは高リスクの筋層非浸潤性膀胱がん(non-muscle-invasive bladder cancer: NMIBC)患者さんを対象に、エルダフィチニブ膀胱内システム(Intravesical Drug-Releasing System with Erdafitinib:Erda-iDRS)を評価した多施設共同、非盲検の第I相試験の結果を発表しました。本試験では安全性に関する主要評価項目を達成するとともに、中リスクの再発患者さんにおいて持続的な完全奏効が確認され、高リスク患者さんにおいては、良好な無再発生存期間が示されました。今回の結果は、さまざまなリスクの患者さんにおいて、本治療アプローチのさらなる開発及び現在進行中の第II相および第III相試験における評価の継続を裏付けるものです。本試験のデータは、2026欧州泌尿器科学会(European Association of Urology: EAU)年次総会において、Late Breaking Oral Sessionで発表されました(抄録番号#LB26-0083)1

FGFR遺伝子変異は、早期の膀胱がんにおいて高頻度で認められ、中リスクNMIBCの約70%、高リスクNMIBCの約40%に認められます2,3。これらの遺伝子変異は腫瘍増殖に寄与する可能性があるため、本疾患において重要な治療標的となっています。Erda-iDRSは、経口のFGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるエルダフィチニブを膀胱内に直接投与することで、3カ月間にわたり持続的に放出されるよう設計されており、全身暴露及び経口投与に伴う有害事象リスクの低減を図りながら、局所治療を可能とすることが期待されます。

スペイン・バルセロナ臨床病院泌尿器科の客員医師であり、本研究の筆頭著者であるAntoni Vilaseca Cabo, M.D.*は、次のように述べています。「中リスクNMIBCは再発を繰り返す疾患であり、多くの患者さんが腫瘍の再発に伴い複数回の治療を受けています。本試験において、Erda-iDRSの治療により、FGFR遺伝子変異を有する患者さんの多くが、2サイクル目の終了時までに完全奏効を達成し、その多くが長期間にわたり奏効を維持しました。再発が多く、繰り返し外科的介入を要するこの疾患において、完全奏効を達成し、それを維持できたことは、臨床的に大きな意義があります」

J&Jの膀胱癌領域Vice President兼Disease Area LeaderであるChristopher Cutie, M.D.は、次のように述べています。「FGFR遺伝子変異を有するNMIBC患者さんに対しては、これまでプレシジョン・メディシンに基づく治療アプローチが十分に用いられてきませんでした。Erda-iDRSにより示された高い完全奏効率と持続的な奏効は、これらの患者さんに標的療法を提供できる可能性を示しています。本疾患の早期段階に生物学に基づく治療アプローチを導入することで、治療に変革をもたらす可能性があります」
 

詳細な試験結果

本第I相試験では、尿および/又は腫瘍組織検査により確認された特定のFGFR遺伝子変異を有するNMIBC患者さんを対象に、Erda-iDRSを評価しました。2025年11月3日時点で、中リスクのNMIBC再発患者さん62例及びカルメット・ゲラン桿菌(Bacillus Calmette-Guérin: BCG)療法による治療歴を有する高リスクのNMIBC再発患者さん26例にErda-iDRSが投与されました。主要評価項目は安全性で、副次評価項目は、中リスクコホートにおける完全奏効率及び完全奏効期間、ならびに高リスクコホートにおける無再発生存期間です1

中リスクコホートにおいて、Erda-iDRSは視認可能な腫瘍に対する非外科的治療として評価されました。初回治療期間中の腫瘍評価に基づく完全奏効率は89%でした(95% 信頼区間[CI]:78-95)。奏効例における完全奏効期間の中央値は18カ月(95% CI:14-25)でした。追跡期間中央値18カ月(範囲:15~21カ月)の時点で、奏効は長期にわたり維持されていました。患者さんの49%で現在も追跡調査が継続されています1

高リスクコホートでは、Erda-iDRSが投与された患者さんにおける無再発生存期間の中央値は20カ月でした(95% CI:15-30)。12カ月時点での無再発生存率は83%でした(95% CI:62-93)。追跡期間中央値は24カ月(範囲:15~30カ月)で、患者さんの31%で現在も追跡調査が継続されています1

用量制限毒性は認められず、忍容性は概ね良好であり、有害事象は主に局所的なものでした。両コホートにおいて最も多く認められた治療関連有害事象(treatment-related adverse event: TRAE)は、血尿(32%)及び排尿障害(22%)でした。グレード3以上のTRAEは4例(5%)で発現しました。8例(9%)が有害事象により投与を中止し、重篤なTRAEは2例(2%)で発現しました。薬物動態解析では、尿中における薬物濃度の持続が示され、全身曝露は限定的であり、高リン血症の発現は認められませんでした1
 

今後の開発

現在、中リスク及び高リスクのNMIBCを対象にErda-iDRSを評価する第II相及び第III相試験が進行中です。MoonRISeプログラムには、腫瘍切除後の術後補助療法として中リスクNMIBCを対象にErda-iDRSを評価する第III相MoonRISe-1試験(NCT06319820)、視認可能な腫瘍に対する非外科的治療(アブレーション治療)としてErda-iDRSを評価する中リスクNMIBC対象の第II相MoonRISe-2試験(NCT05316155)、ならびにBCG療法の治療歴を有する(BCG不応例を含む)高リスク乳頭状病変を有するNMIBC患者さんを対象とした術後補助療法としてErda-iDRSを評価する第III相MoonRISe-3試験(NCT06919965)が含まれます4,5,6
 

エルダフィチニブ膀胱内システム(Erda-iDRS)について

Erda-iDRSは、経口のFGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるエルダフィチニブを、膀胱内に直接投与することで持続的かつ局所的に送達するよう設計された膀胱内システムです。Erda-iDRSの安全性及び有効性は、BCG療法に不応性の高リスク患者さん及び視認可能な腫瘍を有する中リスクNMIBC患者さんを対象とした第I相試験において評価されています。現在、中リスク及び高リスクのNMIBCを対象にErda-iDRSのさらなる評価を目的とした第II相及び第III相試験が進行中です。

2008年、Janssen PharmaceuticalsはAstex Pharmaceuticals社と、エルダフィチニブの開発及び商業化に関するグローバルでの独占ライセンス契約及び提携契約を締結しました。
 

筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)について

筋層非浸潤性膀胱がんは、膀胱の内膜にとどまる早期の膀胱がんで、新たに膀胱がんと診断された患者さんの約75%を占めています。NMIBCは、腫瘍の特性及び再発又は病勢進行の可能性に基づき、低リスク、中リスク又は高リスクに分類されます7

中リスクNMIBC患者さんは腫瘍の再発を繰り返すことが多く、多くの場合繰り返し治療を受けたり、継続的な経過観察を要します。高リスクNMIBCは筋層浸潤性膀胱がんに進展する可能性が高く、膀胱全摘除術が必要となる場合もあります8,9,10。既存の治療法はあるものの、中リスク及び高リスクNMIBCにおける再発及び病勢進行のリスクは依然として高く、持続的な効果が期待できる治療が必要とされています。

*Antoni Vilaseca Cabo, M.D.は、J&Jに対しコンサルティング、アドバイザー、講演などを行っていますが、メディアに対する活動についての報酬は発生していません。
 

Johnson & Johnson について

Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.jnj.com/innovativemedicine/japan/
をご覧ください。
 

将来に関する記述

このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びErda-iDRSの潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Johnson & Johnsonの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題又は遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新の会計年度のForm10-Kに基づくJohnson & Johnsonの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、又はJohnson & Johnsonの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはJohnson & Johnson宛てにご請求ください。Johnson & Johnsonは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine

コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: JP-PR@its.jnj.com
 

参考文献

1. Vilaseca A, et al. Safety and efficacy of the erdafitinib (erda) intravesical delivery system, TAR-210, in patients with non–muscle-invasive bladder cancer (NMIBC) or muscle-invasive bladder cancer (MIBC) harboring select FGFR mutations or fusions: phase 1 first-in-human study. Presented at: 2026 European Association of Urology (EAU); March 13, 2026; London.

2. Roupret M, et al. Eur Urol. 2022;87(S 1):A0673

3. Catto JWF, et al. Ann Oncol. 2024;35:98-106

4. ClinicalTrials.gov. A Study to Evaluate TAR-210 Versus Single Agent Intravesical Cancer Treatment in Participants With Bladder Cancer (MoonRISe-1). https://clinicaltrials.gov/study/NCT06319820. Accessed March 2026.

5. ClinicalTrials.gov. Study of Erdafitinib Intravesical Delivery System for Localized Bladder Cancer. https://clinicaltrials.gov/study/NCT05316155. Accessed March 2026.

6. ClinicalTrials.gov. A Study to Evaluate TAR-210 Versus Intravesical Chemotherapy Treatment in Participants With High Risk Non-Muscle-Invasive Bladder Cancer (MoonRISe-3). https://clinicaltrials.gov/study/NCT06919965. Accessed March 2026.

7. Johnson & Johnson. Bladder cancer. Johnson & Johnson Innovative Medicine. Published June 30, 2025. https://www.jnj.com/innovativemedicine/oncology/bladder-cancer. Accessed March 2026.

8. Babjuk M, Burger M, Capoun O, et al. European Association of Urology Guidelines on Non-muscle-invasive Bladder Cancer (Ta, T1, and Carcinoma in Situ). Eur Urol. 2022;81(1):75-94. doi:10.1016/j.eururo.2021.08.010

9. Brooks NA, O’Donnell MA. Treatment options in non–muscle-invasive bladder cancer after BCG failure. Indian J Urol. 2015;31(4):312-319. doi:10.4103/0970-1591.166475

10. Guancial EA, Roussel B, Bergsma DP, et al. Bladder cancer in the elderly patient: challenges and solutions. Clin Interv Aging. 2015;10:939-9