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ニポカリマブ、FDAで承認された治療方法が存在しない自己抗体により引き起こされる温式自己免疫性溶血性貧血を対象としたピボタル第II/III相試験において、ヘモグロビン値の持続的改善と迅速な効果発現を示す

※本プレスリリースは、6月11日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

国内において、ニポカリマブの温式自己免疫性溶血性貧血に対する効能及び効果は現在開発中で、承認されておりません。

ニポカリマブ30 mg/kgを投与されたa患者さんにおいて、統計学的に有意なヘモグロビン値の持続的改善bを達成し、平均ヘモグロビン値は投与後早くも第1週時点cで1 g/dL以上の改善が認められた

ニポカリマブは、プラセボと比較して、より多くの患者さんにおいて疲労dの改善コルチコステロイドの減量eを達成

ニポカリマブは、温式自己免疫性溶血性貧血における病原性免疫グロブリンG(IgG)自己抗体を標的としつつ、免疫機能を維持するよう設計されている

本ピボタル試験の結果は、EHA 2026で発表され、Blood誌に掲載

ストックホルム(米国時間2026年6月11日) – Johnson & Johnson(NYSE:JNJ、以下「J&J」)は本日、温式自己免疫性溶血性貧血(以下、「wAIHA」)e患者さんを対象とした第II/III相ENERGY試験の初の包括的結果を発表しました。これにより、ニポカリマブ(遺伝子組換え)(以下、「ニポカリマブ」)は、30 mg/kg投与群aにおいて、プラセボ群と比較して、迅速な効果発現を伴う統計学的に有意なヘモグロビン(Hgb)値の持続的改善bを示したことが明らかになりました。この無作為化プラセボ対照試験では、24週までにHgb値の持続的改善を達成した患者さんの割合は、プラセボ群の約3倍でした。全体として、この用量のニポカリマブを投与された患者さんでは、投与後早くも第1週時点cから平均Hgb値が1 g/dL以上改善しました1

これらの結果は、欧州血液学会(EHA)2026年次総会で発表されました。現在、FDAで承認された治療選択肢がない、稀少かつ生命を脅かす疾患であるwAIHAの患者さんにとって重要な前進を示すものです。

イタリア・ミラノ大学腫瘍学・血液腫瘍学部門助教のBruno Fattizzo, M.D.gは次のように述べています。「第II/III相ENERGY試験のこれらのデータは、wAIHA患者さんにおいて、自己抗体を介した赤血球破壊を標的とすることで、迅速な効果発現と貧血の持続的な改善が得られることを示しました。このような迅速かつ大幅なヘモグロビン値の改善は、wAIHAの患者さんが経験する生活に支障をきたす疲労の改善につながる可能性があり、実臨床において重要と考えています」
 

第II/III相ENERGY試験の主な結果

ENERGY試験では、主要評価項目であるヘモグロビン値の持続的改善の達成について、ニポカリマブとプラセボを比較しました。これは、以下の厳格な基準を満たすことと定義されました1

  • ベースラインからHgb値が2 g/dL以上上昇
  • Hgb値が10 g/dL以上
  • 少なくとも連続する3回以上の来院で上記2つのHgb値の基準を達成していること(Hgb値の基準の達成が16週までに認められ、その状態が28日以上持続していること)
  • レスキュー治療またはwAIHAに対する併用薬の変更を必要としないこと

30 mg/kg投与群では、1週時点で平均Hgb値が1 g/dL上昇したのに対し、プラセボ群では改善は認められませんでしたc。wAIHAの治療では、Hgb値を10 g/dL以上に維持し、ベースラインから2 g/dL以上上昇させることが目標とされますが、24週までに患者さんの約3分の2がこの両方の目標を達成しました。

また、ニポカリマブでは、2つの主な副次評価項目である疲労dの改善およびコルチコステロイドの減量fも認められました。患者報告による疲労の改善は投与後早くも第2週時点で認められ、24週間の治療期間を通して持続しましたd

本試験において、ニポカリマブの安全性プロファイルは、承認済みの適応症である全身型重症筋無力症で確立されているものと一貫性を示しました。ニポカリマブで治療されたwAIHA患者さんにおいて、最も多く認められた副作用(10%以上)は、末梢性浮腫、下痢、発熱でした。

ニポカリマブは、wAIHAにおける赤血球破壊の原因となる病原性IgG自己抗体を標的とすることで、差別化された免疫選択的アプローチを提供し、現在多くの患者さんが承認外使用の治療法(コルチコステロイドや広範な免疫抑制薬など)に依存している本疾患において、重要な液性免疫機能を維持するよう設計されています2

J&JのAutoantibody and Rheumatology Disease Area LeaderのLeonard L. Dragone, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「この種の試験として初となる大規模プラセボ対照試験において、ニポカリマブは、FDAで承認された治療が存在しない疾患において、ヘモグロビン値の持続的改善を示し、新たな安全性シグナルは認められませんでした。この免疫選択的アプローチは、併存疾患を抱える患者さんにとって、疾患の原因となる自己抗体を標的としながら、重要な免疫機能を維持する点で重要と考えています」

これらのデータは、ニポカリマブの生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を裏付けるものであり、同申請はFDAにより優先審査の対象に指定されています。
 

用語の説明:

a. FDAへの承認申請に用いられた用量(30 mg/kg4週間ごとに静脈内投与)
b. 第II/III相ENERGY試験の主要評価項目であるヘモグロビン値の持続的改善は、レスキュー療法を必要とせず、二重盲検期間の16週までに基準を満たし始め、その状態として、ヘモグロビン値が10 g/dL以上かつベースラインから2 g/dL以上上昇した状態が28日以上持続することと定義されます。この評価項目は、均等荷重階層的検定手順の中で事前に規定されており、得られた片側p値は、事前に規定された多重性制御戦略に従って統計学的に有意と判断されました。
c. これらのデータは、階層的検定手順に含まれるものではありませんでした。
d. 主な副次評価項目である24週時点のFunctional Assessment of Chronic Illness Therapy-Fatigue(FACIT-Fatigue)スコアのベースラインからの平均変化量に基づき、30 mg/kg静脈内投与群(FDAへの承認申請に用いられた用量)ではプラセボに対して平均変化量が3.51ポイント上回りました。この評価項目は階層的検定手順の中で事前に規定されており、得られた片側p値は、事前に規定された多重性制御戦略に従い、名目上のp値とみなされました。
e. ニポカリマブは、wAIHA治療薬としては承認されていません。
f. 持続的ヘモグロビン反応を達成した参加者は、コルチコステロイド(CS)の漸減を開始することが求められました。Hgb値が1 g/dL以上低下しないことを条件に、2週間ごとにベースラインのCS用量の10%ずつ減量されました。24週時点におけるCS用量の平均減少率は、プラセボ群(ベースライン用量から4%減少)と比較して、ニポカリマブ30 mg/kg投与群(ベースライン用量から15%減少)で数値的に高くなりました。この評価項目は階層的検定手順の中で事前に規定されていました。
g. Bruno Fattizzo医師は、J&Jのコンサルタントとして報酬を得ていますが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていません。
 

ENERGY試験についてNCT04119050

ENERGY試験は、温式自己免疫性溶血性貧血(wAIHA)の成人患者さんを対象に、非盲検継続期間を伴い、ニポカリマブの有効性および安全性をプラセボと比較評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照第II/III相試験です。成人115例が約1:1:1の割合で無作為に割り付けられ、2つの異なる用量スケジュールのニポカリマブまたはプラセボを投与されました。24週間の二重盲検期間を完了した後、患者さんは、ニポカリマブを最大144週間投与される非盲検継続期間に移行可能であり、最終評価後6週間の追跡期間が設けられました3
 

温式自己免疫性溶血性貧血(wAIHA)について

温式自己免疫性溶血性貧血(wAIHA)は、自己抗体が赤血球(RBC)に結合して破壊し、貧血を引き起こす、まれで生命を脅かす疾患です4。wAIHAは年間10万人あたり約1~3人が新たに罹患し、有病率は約8,000人に1人です4,5。この疾患は女性と男性のいずれにも発症し、あらゆる年齢の人に発症する可能性がありますが、50歳以上で発症率が高まります5,6。また、wAIHA患者さんでは、静脈血栓塞栓イベント、急性腎不全、感染症など、他の重篤な合併症のリスクが高くなります7

wAIHAを適応症とするFDAが承認した治療はありません。通常、治療は承認外の治療法(コルチコステロイド、広範な免疫抑制剤及びB細胞標的療法)で構成されます4。wAIHAの治療にはアンメットニーズがあり、このニーズに対応し得る治療薬として、ニポカリマブのような新規治療薬の開発が進められています7
 

ニポカリマブについて

ニポカリマブは現在開発中のモノクローナル抗体であり、高い親和性で結合してFcRnを阻害し、循環免疫グロブリンG(IgG)抗体の濃度を下げつつ、広範囲な免疫抑制を引き起こさずに免疫機能も維持するよう設計されています。ニポカリマブは現在、抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体または抗筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体が陽性である成人および12歳以上の小児の全身型重症筋無力症(gMG)の治療薬として承認されています8
 

Johnson & Johnson について

J&Jは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

J&J Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、及び眼疾患領域における学術及び情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.jnj.com/innovativemedicine/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。
 

将来に関する記述

このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びニポカリマブの潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Janssen Research & Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及び/又はジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。Janssen Research and Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine

コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: JP-PR@its.jnj.com
 

参考文献

1. Fattizzo B., Murakhovskaya I, Ueda .Y, Schlichting D., Sweet K, Zelasky M., Craig J., Liva S., Leu J., Ling L., Pease S., Anakor A., Shu C., Nipocalimab for warm autoimmune hemolytic anemia: results from the Phase 2/3 randomized, double-blind ENERGY study, Presented at EHA 2026 Congress, Available at https://library.ehaweb.org/eha/2026/eha-2026/4206854/bruno.fattizzo.nipocalimab.for.warm.autoimmune.hemolytic.anemia.results.from.html?f=listing%3D0%2Abrowseby%3D8%2Asortby%3D1%2Asearch%3DS300

2. Seth N, et al. Nipocalimab, an immunoselective FcRn blocker that lowers IgG and has unique molecular properties. mAbs. 2025 Feb; 17(1). https://doi.org/10.1080/19420862.2025.2461191

3. ClinicalTrials.gov Identifier: NCT04119050. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT04119050. Last accessed: June 2026.

4. National Organization for Rare Disorders, Warm autoimmune Hemolytic Anemia. Available at: https://rarediseases.org/rare-diseases/warm-autoimmune-hemolytic-anemia/. Last accessed: June 2026.

5. Tranekær S, Hansen DL, Frederiksen H. Epidemiology of Secondary Warm Autoimmune Haemolytic Anaemia-A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Med. 2021 Mar 17;10(6):1244. doi: 10.3390/jcm10061244. PMID: 33802848; PMCID: PMC8002719.

6. Cherif, H., Cai, Q., Crivera, C., Leon, A., Rahman, I., Leval, A., Noel, W. and Kjellander, C. (2024), Overall Survival and Treatment Patterns Among Patients With Warm Autoimmune Hemolytic Anemia in Sweden: A Nationwide Population-based Study. Eur J Haematol. https://doi.org/10.1111/ejh.14311.

7. Fattizzo B, Barcellini W. New Therapies for the Treatment of Warm Autoimmune Hemolytic Anemia. Transfusion Medical Reviews, Vol. 36, Issue 4. October 2022 https://doi.org/10.1016/j.tmrv.2022.08.001.

8. IMAAVY® U.S. Prescribing Information.